ストーリー

「私たちも頑張らないかんね」。高知県梼原町で、町ぐるみで育てる「第二KIRecub苗木園」が誕生しました

高知県梼原町で、地域性苗木を育てる「第二KIRecub苗木園」が新たに開設されました。more treesも開設に協賛しています。その土地に自生する樹から種を採って育てる「地域性苗木」は、全国的にも生産している場所が少ないのが現状です。梼原町では、林業のプロだけでなく、地域の方々も一緒に苗木を育てています。

 

■「移住した若い子たちがこんなに頑張ってくれているなら」

この日の鉢上げ作業には、シルバー人材センターの方や地域おこし協力隊のみなさんが参加しました。日常的な草取りなども、地域おこし協力隊や地域の方々に業務を委託し、協力してもらっています。こうした支えがあることで、KIRecubのメンバーは造林や育林といった専門の仕事により集中できるようになりました。

作業を終えたあと、シルバー人材センターのお母さま方から、こんな言葉があったそうです。

「移住した若い子たちがこんなに頑張ってくれているなら、私たちも頑張らないかんね。」

世代を超えて、森づくりへの想いが広がっていく。それを実感させる出来事でした。

■ 全国でも数少ない「地域性苗木」を、この町で

地域性苗木とは、その地域に自生している樹から種が採種され、採種場所や採種日の履歴がはっきりしている苗木のこと。いわば「地元生まれ、地元育ち」の苗木です。

ただ、この苗木を手に入れるのは簡単ではありません。特に広葉樹の地域性苗木は希少。なぜなら、そもそも針葉樹に比べて広葉樹の苗木の生産者は少なく、種をどこで採ったのかまでたどれる苗木を育てている場所はさらに限られるためです。だからこそ、町の人たちが一緒になって広葉樹の地域性苗木を育てている梼原町の取り組みは、全国的にみても数少ない実践だといえます。

第二KIRecub苗木園は、地域性苗木の需要の高まりに応えるため、育苗本数を増やすことを目的に整備されました。試行錯誤を重ねて育苗技術を確立してきた第一苗木園の経験をもとに、作業効率や管理のしやすさを高めた実践型の苗木園です。給水設備を見直し、育苗トレー全体へ均一に水がゆきわたる仕組みへと改善しました。第一・第二を合わせて、約17,000本の地域性苗木を育てられる体制が整っています。

 

 

■ 遊休地が、森づくりの拠点になる

第二KIRecub苗木園は、もともと倉庫として借りていた土地の隣にあった空き地を活用したものです。道路沿いにあり、町の人の目にも留まりやすいこの場所は、森づくりを身近に感じてもらう発信の拠点にもなります。

今後は使われていない耕作放棄地や遊休地を活かし、第三・第四の苗木園へと広げていく構想です。地域に眠る土地を森づくりの拠点として再生することは、地域資源の活用や新たな雇用・交流の創出にもつながっていきます。

 

苗木を育てるには時間がかかります。その時間を、町に暮らす方々と一緒に見守っていく場所が、梼原町にもう一つ増えました。

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