人口約300人の村に66名訪問。奈良県野迫川村でウエルシアユニオンの植林体験ツアーを行いました。

more treesが奈良県野迫川村と協定を結んでからちょうど1年。野迫川村史上初となる企業の森づくりが本格的に動き出し、ウエルシアユニオンの組合員のみなさまが植樹ツアーで同村を訪れました。離島を除いて日本で最も人口の少ない村(人口約300人)に全国の店舗から66名が集まり、地域の方々も驚くほどの賑わいとなった2日間の様子をダイジェストでお届けします。
■21の樹種を記念植樹
さっそく植樹体験からスタートということで、イタツゴ村有林へ向かいました。

ここは収穫期を迎えたスギ・ヒノキの伐採跡地で、ご覧の通りかなりの急斜面です。木材生産には向かない地形のため、今後は①自然に近い状態に戻す ②なるべく人の手間を減らす という2つを軸に、今後は広葉樹をミックスした多様性のある森づくりを進めていく方針が決まりました。ウエルシアユニオンのみなさんもこの斜面に挑み、苗木を植える穴を掘っていきます。
今回植えたのは21種類の苗木です。どこにどの樹種を植えるかは「自然配植技術」を用いて設計しています。自然配植技術とは、樹種の特性を踏まえ自然に倣った配置で木を植えていく技術です。先駆種(比較的早く育つ木)や中後期種(比較的ゆっくり育つ木)を組み合わせることで、早く育つ木がいち早く陰をつくって下草を抑えるなど、手入れの手間を減らす効果が期待されます。
赤い服を着ているのが役場の小泉さんです。今年の4月、三重県大台町の宮川森林組合から“森の達人の森さん”こと森正裕さんを招いて自然配植技術の研修が行われ、その後、小泉さんが中心となって野迫川村の植栽計画をまとめあげました。
実際に作業されたウエルシアユニオンの方々の感想です:
「新幹線・特急・バスを乗り継いで山奥の山奥へ来ただけに、1本の苗木を植える作業がとても貴重な時間になりました」
「こんなに多くの木の種類を山に植えていることに驚きました」
「森の中はどこも勝手に木が生えて育っていくものだと思っていました。村長が話していた〈人間の都合だけで植えてきた針葉樹の森に対する転換点〉という言葉が印象に残っています」
■関係づくりのバーベキュー
植樹を無事に終え、夜はホテル野迫川のキャンプ場でバーベキューを行いました。ふだん交流のない店舗の従業員同士が打ち解ける場となり、役場のみなさんや村長も参加。ビンゴ大会などの余興もあり、地域とウエルシアユニオンが自然に交わる温かで楽しい時間が流れました。
■名物の雲海を見に
2日目は朝5時、ホテル前から雲海ツアーがスタート。希望者のみのプログラムにもかかわらず多くの参加があり、村長自ら車を出してくださいました。この日は控えめな出現でしたが、幻想的な光景と地平線まで続く山並みに、参加者は見入っていました。
■熊野古道小辺路の散策
チェックアウト後はバスで鶴姫公園の入口へ移動し、そこから熊野古道小辺路を徒歩で約1時間散策しました。道中では、周辺に生えている木々について役場の小泉さんが次々と解説。ワークショップの素材にするため、参加者は気に入った葉っぱを1枚ずつ持ち帰りました。

■葉っぱスタンプで記念プレートづくり
最後のプログラムは「野迫川村植樹記念プレート」づくり。散策で採取した葉にアクリル絵の具をつけ、木のプレートにスタンプして模様をつくっていきます。出会った樹種の名前や日付を書き添え、世界に一つだけの記念プレートが完成。これらは各店舗に飾り、今回の訪問や森づくりの取り組みを伝えるメッセージとして活用される予定です。
最後に村長より参加者へご挨拶がありました。

「今回の参加をきっかけに、四季がはっきりと楽しめる野迫川村にぜひまた遊びにきてください。その際は村長室に顔を出してくださいね。」村長との距離がこれほど近いのも野迫川村ならではの魅力です。
そして今回の取り組みは、野迫川村の歴史上はじめての「企業の森」づくりであると同時に、労働組合が森づくりに参画するという、more treesとしても初めてのケースとなりました。
“ユニオン”はラテン語 unio(ひとつになる、一体)に由来します。2日間のツアーは、ユニオンが持つ“つながりの力”が森づくりにも広がり、地域と組合、そして参加者一人ひとりが関わり合いながら、未来の森を育てていく最初の一歩となりました。

▲人口の2割強の訪問者を受け入れるため奔走してくださった野迫川村役場産業課のみなさんです









