ストーリー

岩手県大船渡市で「東京ステーションホテルの森」が始動しました

more treesが森づくりを進める岩手県大船渡市で、「東京ステーションホテルの森」が始動しました。

東京ステーションホテル様は、2015年の開業100周年を機にクリスマスの木製チャリティーオーナメント販売を通じてmore trees へのご寄付をスタートし、2025年末で11年目を迎えました。さらにこのたび法人参加型プログラム「企業の森」にご参画いただくことになりました。

5月28日、ホテルを代表して3名が2025年2月の大規模林野火災跡地である大船渡市三陸町綾里(りょうり)地区を訪れ、復興を願う記念植樹を行いました。

 

■被災木でつくられた看板

東京駅から東北新幹線で約2時間半で水沢江刺駅に着き、車に乗り換えて1時間ほどで綾里地区に入ります。車から降りた東京ステーションホテルのみなさんを最初に出迎えてくれたのは、森の入口に建てられた看板です。

この看板には、大船渡市の林野火災で被災した木が使われています。大船渡市で造園業を営む「花風通(カフーツ)」の寺澤さんが地元の製材所から被災木を入手し、手作業で文字入れなどして看板に仕立ててくださいました。見た目は黒焦げでなくても木材としての価値がほぼなくなり廃棄の運命を辿ることも多い被災木ですが、職人の手でふたたび命を吹き込まれ「東京ステーションホテルの森」の目印となりました。

 
 
 
 
 
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■火災のあと、公的復旧事業がカバーしきれない森の再生へ

2025年2月の大規模林野火災では、大船渡市の面積の約9%におよぶ森が焼失しました。市・県・国が協力して災害復旧計画を進めていますが、国庫補助事業によって再造林が行える面積には限りがあり、被災区域の全域を網羅するには至っていません。制度の網目からこぼれてしまった森に対して、more treesは地域と都市の架け橋となって「多様性のある森づくり」を進めることを決めました。具体的には、地域側では森づくりパートナーである青葉組と協働して山林所有者の意向をうかがいながら植林候補地を探し、都市側からは協賛企業を募り、植林地に植える苗木づくりにおいては地域の気候風土に適した樹種を選びかつ遺伝的多様性に配慮した地域性苗木を育てていきます。

このたび大船渡市での最初の植林地となったのが、綾里地区の熊之入という山林です。綾里川ダムの下流に位置し、三陸鉄道もすぐ近くを走るロケーションです。

この山林は所有者が2名いらっしゃいますが、それぞれの所有者と青葉組が対話をして植林を進めることとなりました。2026年2月より植林の計画を立て、4月より地拵えを開始し、5月31日に2.2haの植林と防鹿ネットの設置が完了。植えたのはウリハダカエデとコナラで、1haあたり1000本ほどとあえて間隔を空ける「疎植(そしょく)」をしています。空いた場所には、周囲から自然に芽生えてくる(天然更新)木が育つことを見込んでのことです。人の手と自然の力を組み合わせて、この土地らしい森をつくっていきます。

 

■スタッフの手で木を植える

はじめて熊之入の植林地を訪れた東京ステーションホテルのみなさんと現場を見ながら、more treesのスタッフが森づくりについて解説をした後、記念植樹を行いました。植えたのはイタヤカエデ、エゴノキ、タブノキの3種類。斜面に穴を掘り、苗木を入れ、土を戻して踏みかためます。たった一本でも木を植えることの大変さをみなさん噛みしめているようでした。

東京ステーションホテルは、“Living Heritage(使い続ける文化遺産)” である東京駅丸の内舎の中に位置するホテルとして末永くお客様をお迎えし、歴史的価値をもつ建物を大切に生かしながら後世へ遺していくことを使命としています。その過程は、手入れをしながら世代をこえて育てていく森の姿とも重なります。どちらも人の一生分をこえた時のリレーです。

■現地を訪れた感想とこれから

自らの足で現場に立ち、土に触れ、地域の人と言葉を交わした時間のなかで、東京ステーションホテルのみなさんが受け取ったもの、感じたこと、これからへの期待などを次のように語ってくださいました。

・現地を自分の目で見ることは、とても重要でした。道中の何気ない雑談が、思いがけずブレストになったのも発見です。

・次回はホテルスタッフも参加できることを願っています。定点カメラで、変化や移り変わりを見守っていきたいです。

・自身も東北の出身で山は近くにありましたが、森についてここまで深く学んだのは初めてでした。所有者が一人ではないことのご苦労も知りました。

2010年の東日本大震災、2025年の大規模山林火災とわずか15年で2度も未曽有の災害に見舞われた大船渡市。多様性のある森づくりを通じて森の再生をめざすとともに、そこで生きる人々の心や産業、地域コミュニティの復興・再生にも貢献すべく始動した「東京ステーションホテルの森」の森づくりの様子を、これからもお伝えしていきます。

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