【森づくりパートナーの声 ♯05】株式会社スーパーホテル 三浦留奈さん・迫田耕太郎さん

more treesの森づくりは、立場の異なるたくさんの人々の手で成り立っています。木を植え育てる人、木を活かしてものづくりをする人、地域に暮らす人、都市から森を支える人。みなさんとの協働があってこそ、“都市と森をつなぐ”森づくりは続いていきます。連載「森づくりパートナーの声」では、more trees と活動をご一緒いただいているパートナーの方々に、森づくりへの思いや今後の期待や挑戦についてお話を伺います。
―普段はどのようなお仕事をされていますか。
迫田:サステナビリティ推進室という部署で、サステナブルな取り組みを担当しています。「Natural, Organic, Smart」をコンセプトに健康でサステナブルなライフスタイルを提案しているスーパーホテルのブランドコンセプトを深め、お客様に訴求していくための取り組みを模索しながら具体的なアクションを起こしています。
―スーパーホテルさんというとホテル業界唯一の「エコ・ファースト」企業に認定されるなど持続可能な取り組みを業界に先駆けて進めてこられた印象が強いのですが、サステナビリティに関する社内コミュニケーションも活発ですか?
迫田:前任者の時代に社内コミュニケーションを念入りに行っていたので、社内浸透は十分できている状況です。現在は店舗単位でできるアクションを店舗担当者に連携したり、店舗担当者が悩んでいることがあればこちらからアイディアを出したりして、各店舗のサステナブルな取り組みを一緒に考えるコミュニケーションが多いです。
―三浦さんは迫田さんの後任としてサステナビリティ推進室へ異動になるとお聞きしました。他部署からは迫田さんたちの活動はどう見えていましたか。
三浦:2024年はサステナビリティ推進室がリードして社内ワークショップを行っていました。そもそもサステナビリティとは何かという基本から、より詳しい内容までさまざまに学ぶ場が定期的にあり、私も参加していました。ふだんひとりで考えているだけでなかなか人と交わさないような話題も含めて話し合いができて、とても盛り上がりましたね。
―more treesと出会ってからなにか変化を感じられることはありますか。
迫田:もともと地域貢献を経営理念に掲げているので地域活性のためにさまざまな取り組みを展開していましたが、地域とスーパーホテルで直接コミュニケーションしながらどんな取り組みができるのか探り探りで進めていた部分も多々ありました。more treesさんにあいだに入っていただくようになってからは、地域と連携した取り組みのクオリティやレベル感が上がったことを実感しています。たとえば岐阜県東白川村や宮崎県諸塚村の森林由来のカーボン・クレジットを購入して、宿泊に伴い発生するCO2排出量をお客様に代わってカーボン・オフセットする取り組みを行っています。
―地域や森を活性化するための木材利用にも積極的に取り組んでくださっていますよね。
迫田:そうですね、地域産材をつかったものをホテルに導入してきました。ホテルのオープニングセレモニーの際、高知県産ヒノキを使ったアロマブロックをギフトとしてお客様に配布したり、館内に置くインテリアを岐阜県産ヒノキや大分県産スギを使って制作したり。more treesさんとの関わりのなかで森林保全の考え方や保全の大切さに対する理解が深まったというのも大きいですね。森を守る、森を育むという思いに共感して、サステナブルな取り組みのクオリティが高まってきた印象です。こんなことやりたいなあとふわっとしたイメージをmore treesの兒玉さんに相談したら、こんなことできますよと上質のアイディアをいろいろいただけるのもありがたいです。
―2024年のハイライトとしてはどのようなことが挙げられますか。
迫田:more treesさんとの取り組みでいえば、ホテルの大浴場でつかう風呂イスと湯桶を制作して、木材利用の幅が広がったのが大きかったです。いかに長く使えるかを兒玉さんと一緒に繰り返し検証もしました。スーパーホテル全体としては、ファンの方々とのコミュニケーションを深める取り組みとしてファンミーティングを開き、お客様がスーパーホテルを好きでいてくれる理由を見つめ直せたことが非常によかったです。「地域と連携した取り組みがいい」「天然ヒノキのアロマオイルの香りが気に入っている」といったお声がよく挙がるほか、「諸塚村や東白川村に行ってみたい」というメッセージもありました。

―これから挑戦したいことはありますか。
三浦:CO2実質ゼロ泊の取り組みをはじめ、サステナビリティにこれだけ特化しているホテルの価値をいかにお客さまに伝えるか。日々アイディアを出し合っている状態ですが、ファンのみなさん、地域のみなさん、さらには高校生や大学生など若い人たちともサステナビリティのことを一緒に考えながら、スーパーホテル=サステナホテルという認識をもっと広げていきたいですね。そのためにmore treesさんと一緒に何かできたらいいなと思っています。
迫田:前任者ともずっとやりたいと話していたのが「企業の森」づくりです。カーボン・オフセットや木材利用に加えて、地域での森づくりもそろそろ始めたいと思っています。
―実際に森に足を運ばれるとまた取り組みの広がりも見えてきそうですね。
迫田:足を運ぶといえば、スーパーホテルでは従業員がSDGsを実践で学ぶためのグリーンツアーを開催していて、これまで東白川村や諸塚村へ行っています。今後は、森づくりや木材利用でかかわりのある地域のほうにも足を延ばし、それも従業員だけでなくスーパーホテルのファンの方やお客様とともに現場に触れるエコツアーをmore treesさんと一緒にやってみたいですね。たとえば風呂イスと湯桶は奈良県産材を使い、三重県のほうで加工していただいていますが、そうした地域を訪れることで生産者と消費者が出会い、スーパーホテルのB2Cのお客様がmore treesとつながる機会にもなるような、そんな場が持てたらいいなと思います。
―最後に、サステナビリティへの思いを。
迫田:スーパーホテルの居心地の良さを考えたとき、おもてなし力があるのはもちろんですが、「地域とのつながり」からくる居心地の良さを大切にしたいという思いがあります。お客様とホテルにとどまらず、お客様とホテルと地域のつながりをこれからも育みながら、ビジネスホテルではなく「サステナホテル」という新しいホテルカテゴリを体現するために、サステナブルな取り組みを一層進めていきたいと思います。
インタビュー:2025年2月