ニュース

【コラム】海外販路へのチャレンジ~NY編(後)

※前回の内容はこちら

水谷です

さて、ニューヨークでのエキシビジョン会場を探った結果、BDDWというインテリアショップに決まりました。

このマンハッタンにあるBDDWというお店、じつは2015年夏にマーケットリサーチで訪問していました。

当時は新潟産の苔玉「MASUMOSS」の海外販路を外部からサポートする立場で動いていましたが、「天井も高くて広々とした、開放的かつ高級感のあるスペース」という印象でした。

その場所で、TSUMIKIのエキシビジョンができることはとっても光栄なことです!

そして、計4組のクリエイターさんも決まりました。

まずは、TSUMIKIをデザインした隈研吾さんご本人。

そしてニューヨークで活動する Nanse Kawashimaさん、 Sonia Rentschさん、 Aranda\Laschの3組の皆さんです。

この計4組の方々にカスタマイズしていただいたTSUMIKIを、BDDWで展示しました。

Kengo Kuma Cedar Cone, 2017

Sonia Rentsch The Language of Trees, 2017

Aranda \ Lasch Study of Shingling, 2017

Nanse Kawashima The Tower in the Desert, 2017

 

2月28日に開催したレセプションにも多くの方に来ていただきました。

わがボスでありmore treesの代表である、教授こと坂本龍一さんも足を運んでくれました。お陰さまで、TSUMIKIそのものも、展示作品についても、多くの問い合わせをいただいています。

さらに、VOGUE や designboom にも掲載されました。ありがたや。

ボクらがTSUMIKIを通じて国内外問わず感じたのは、いかに「玩具」とは違う土俵で勝負するか、ということの大切さでした。もちろんTSUMIKIは文字通り、積んで楽しむもの。

ですが、すでに国内外で積み木はたくさん流通しています。後発組のボクらは、そこと差別化しなくてはいけない。

しかも、ボクらの製品は決して安くない。となると、インテリアとしての用途もしっかりと見せながら、大人にもプレゼンする場が必要です。

 

事実、国内でTSUMIKIを取り扱っているショップは、その大半がインテリアショップやミュージアムショップ。おもちゃ売り場での取り扱いはゼロ件です。

 

こうした意味では、BDDWでのエキシビジョンはブランディング上もドンピシャでした。

な~んて、あたかも簡単に会場を借りれちゃったり、メディアにサラっと掲載されたように書いてしまっていますが、ここに至るにはニューヨーク在住の佐久間裕美子さんはじめ、キュレーターのジェニーさんら多くの協力者の存在なくしては絶対にありえませんでした。特にBDDWという場所を使わせてもらえたことは、奇跡に近いと思っています。

皆さんには本当に心から感謝しています。

こうして1年間、パリ~東南アジア~ニューヨークと展開してきました。

販路開拓という面では、7か国14店舗での成約という結果でした。

そして何より「井の中の蛙」根性が取れてきたこと、そして製品を伝えるうえでのコミュニケーションやPRの難しさと大切さ、さらには現地協力者の存在の重要性など多くの気づきと出会いがありました。

ボクらの海外への取組は、来年度も継続させていきます。

きっと紆余曲折はあるでしょうけど、この場で再び、皆さんにいいご報告ができますように。

水谷伸吉

TOP