アカシデ120本の植樹と鹿沼組子体験。栃木県鹿沼市で上野硝子工業様の現地ツアーを行いました
春のおとづれとともにmore trees活動地への現地ツアーも少しずつ増えていきます。3月21日(金)、栃木県鹿沼市で上野硝子工業株式会社様の現地ツアーを行い34名の社員のみなさまにご参加いただきました。2024年に多様性のある森づくりの法人参加プログラム「企業の森」をスタートした上野硝子工業様にとって現地ツアーは今回が初。当日の様子をダイジェストでお届けします。
「上野硝子工業の森」で120本の植樹体験
▲まずはちょっとした山登りからスタート。尾根に近い植樹場所まで歩きます。日陰にはまだ雪が残っていました。
▲植樹場所に到着すると、現地で施業を担ってくださる植林・育林専門集団「青葉組」のみなさんが植え方のレクチャーをしてくれました。この植林地は収穫期を迎えたスギ・ヒノキの伐採跡地で、足元にある切り株が80年生だと知ると、上野硝子工業の方から「自分より年上だ」「木って大きくなるまでにこんなにも時間がかかるんですね」という声も。
▲いよいよ社員のみなさんの出番!苗木を一本一本植えていきます。植えたのはアカシデです。
▲植樹体験では苗木を植えて終わりになることも多いのですが、今回はもうひと手間にチャレンジ。野生動物の食害から苗木を守るためのツリーシェルターを社員のみなさんの手で設置していただきました。
▲ネットをクリップで止め、ペグを打ちます。この日はよく晴れて作業すると汗ばむくらいの陽気でしたが、みなさん一生懸命に作業をしていました。
無事に120本の苗木を植え切り、ツリーシェルターも設置完了。おつかれさまでした。青葉組のみなさんは1日で200本程度植えることもあるという話には「えー!」「すごい!」「(自分たちには)無理だ!」と驚きの声も上がっていました。
組子体験@木のふるさと伝統工芸館
森以外でのさまざまなアクティビティを通じて、地域との関係を深めていただけるのも現地ツアーの魅力。今回は、木のふるさと伝統工芸館を訪れ「鹿沼組子」コースターづくりを体験しました。
▲組子は、釘を使わずに木材を幾何学的な文様に組み付ける日本の伝統的な木工技術のひとつで、飛鳥時代から現代まで脈々と受け継がれてきました。鹿沼組子は、江戸時代の初期、日光東照宮の造営に携わった腕利きの職人たちによってその技術が伝えられたといいます。組子自体は日本各地で作られているものの、技術業として独立した存在である組子職人の手によって製作されているのは全国でも鹿沼ぐらいだそう。現在では小物やインテリアから建具、屏風まで幅広く活用されています。
▲作り方の説明書を見たときには「難しそう…」と怖気づく方もいましたが、地元のみなさんが優しく教えてくださったおかげで10分ほどで完成。「みんな若いから作るのが速いね!」と太鼓判を押されていました。このあと、館内に展示された彩色彫刻黒漆塗屋台を見学しました。屋台とはお祭りの山車のことで、山車の脇障子「花形組子障子」が鹿沼組子のルーツといわれています。
ツアーを終えて
最後に、現地ツアーを終えた上野硝子工業のみなさんの感想をご紹介します。
「ふだん植樹する機会がないため、貴重な体験となりました」
「思っていたよりも、苗木が細くてびっくりしたと同時に、植えた苗木の成長が楽しみになりました」
「作業中は、斜面が急であったり、土が硬かったりして穴を掘るのが大変でしたが、現地ガイドのみなさまのアドバイスのおかげで楽しく行うことができました」
「組子作り体験では現地の文化にも楽しく触れることができましたし、迫力のある屋台も見学でき、良い体験となりました」
「普段はパソコンと向き合うことが多いのでリフレッシュできたと思いますし、社員同士のよい交流の機会になったと感じています」
森づくりという共通の思いを持った地域と企業のつながりがまたひとつ増え、more treesにとっても大変嬉しい現地ツアーとなりました。
今後も地域・企業と協働で多様性ゆたかな森づくりを進めてまいります。
「企業の森」は、多様性のある森づくりへの法人参加型プログラムです。脱炭素社会やネイチャーポジティブの実現に向けた実践のひとつとして取り組みを開始される企業が増えています。企業の森の特徴は、地域を指定して継続的にご協賛いただくスタイルであること。実際に現地に足を運び、森に入り、地域の方々との交流を通じて関係を育みながら、地域活性に貢献できることも醍醐味のひとつです。自然豊かな現地でのツアーや植樹体験などのイベント開催、ワーケーションやオフサイトミーティング先としての利用、学生インターンなど採用活動との接続、地域産材をいかしたノベルティや店舗什器の製作など、企業の森の活用事例も年々広がりを見せています。