ストーリー

育てた苗木がピンチ!2025春、富山県南砺市 鉢上げ奮闘記

5月15日〜16日、富山県南砺市の閑乗寺公園に苗木づくりに燃える熱き精鋭たちが集結しました。メンバーは、株式会社ミチルワグループ、株式会社グリーンサポートの伊東社長、そしてmore treesの水谷と宮﨑。この日のミッションは「昨年の秋に種まきをして育ってきた苗木を無事に鉢上げする」ことです。

しかし…思わぬ事態に!?

作業の1週間ほど前、現場に衝撃が走ります。なんと、育苗エリアがイノシシ&ネズミ連合軍の襲撃を受け、ミズナラやクリなどのどんぐり類の苗はほぼ消えていました…。

「こ、こんなことって…」
「森のスター食材が人気すぎる…」
「完全にどんぐりレストランと化してしまった…」

あまりの出来事にみな意気消沈。しかし、よくよく見ると、この状況を生き延びた芽生えが見つかりました。

「きみたち、生きてたのか…!」

けなげな姿に思わず声をかけ、これ以上食べられる前に生存者を救出。コンテナに植え替えました。


次の手は…?

そんなこんなでの鉢上げ当日。圧倒的に苗木が少ないことが問題でした。精鋭たちは周囲を歩きながら次の手を考えます。すると、閑乗寺公園のなかで芽生えたばかりの稚樹が目に入りました。

「この子たちを仲間にしよう!」

水谷と宮﨑が1時間ほどかけてウリハダカエデ、アカイタヤ、ケヤキ、チョウジザクラなど約100本の稚樹を採取。山取り苗として育てることにしました。

さらにグリーンサポート伊東社長が手配してくださった苗木もあり、最終的には約700本の鉢上げができました。本来予定していた本数には届きませんでしたが、1週間前の惨状を考えればある程度はリカバリー達成です。


救世主あらわる

今回の事件は、森と向き合う私たちにとって大きな学びとなりました。more treesの宮﨑は6月にも南砺市を訪れるので、その際も山取り苗を増やすための修行に励む予定です。また、コシアブラはたくさん発芽していたものの鉢上げにはまだ早かったので、大きくなった頃に追加の鉢上げをします。

さらに救世主が現れました。私たちの森づくりパートナーであるミチルワグループが富山市内に開設した企業向け障がい者雇用支援サービス「Green Link Lab.(グリーンリンクラボ)」の拠点で、今後は発芽までの管理をしてくれるというのです。

こちらが施設の外観です。中はとても広く、ここなら安心!苗木1万本はいける!さっそく発芽管理している種も多数あります。どんぐりレストラン化現象におびえることなく、多様な樹種の苗木が育つにぎやかな場になってくれそうです。

森づくりは、うまくいかない日も進んでいる。悔しさも、次の芽を育てる土になる。そんなことを思いながら、次の一歩を踏み出した春の大奮闘でした。

TOP