30種・90本の植樹に「鉋」を使った箸づくりも。三重県大台町で株式会社シモジマ様の現地ツアーを行いました。
2025年5月29日・30日、三重県大台町にて株式会社シモジマ様の現地ツアーを行いました。昨年10月の前回ツアーからプログラムに変化もあり、新しい体験も待っていました。2日間の様子をダイジェストでお届けします。
■Day1
① 植樹体験
はじめに向かったのは植林地です。紙製品を扱う企業として積極的に森林保全へ参加したいという思いから2023年11月に「シモジマの森」づくりがはじまり、今年で3年目。この日は専務を含む12名の社員のみなさんが参加され、約30種・90本の苗木を植えました。
90本というのはなかなかの大仕事ですが、特に手ごわかったのが掘ると大きな石がゴロゴロ出てくる地面。「土を掘るってこんなに疲れるんだ…」と驚く声も聞こえてきました。そうかと思えば「自分が植えた木がかわいく見える」と次々に親心を抱きはじめるみなさん。そこへ宮川森林組合の森さん、杉浦さんから「将来どのように木が成長していくのか、周辺の木との関係性を考えながら植えていく」という方法を伝授され、プロの技に舌を巻きながら無事にすべての苗木を植え切りました。
② 森林散策
つづいて宮川森林組合・森さんのガイドで森林散策をしました。みなさんが見つめているのは、6年前に植えられた木。人の背丈を優に超え樹高4~5mほどに育っている姿を見て、「今日植えたあの苗も、いつかこんな風になるのかな」と未来の森の姿を重ねていました。
③ オリエンテーション
1日目の最後は屋内でのオリエンテーションです。「なぜシモジマが森づくりに取り組むのか」という活動の背景やmore treesとのつながり、これまでの具体的な活動内容などを参加者のみなさんに改めて共有。この日は先に森で植樹や散策をしため、ただ話を聞くよりも、より実感を持って森づくりの意義を感じられたようでした。
■Day2
④ 鉢上げ体験
2日目は、まず「鉢上げ作業」に挑戦しました。場所は前回ツアーでも訪問した苗木生産協議会の天野会長宅。鉢上げとは、トレーなどに播いた種が発芽したものをより大きく育てるためにコンテナやポットに植え替えることで、発芽する時期だから行える作業です。
まだ小さく繊細な“赤ちゃん”を傷つけることなく植え替えるのは苗木の植樹の何倍も気を遣います。それでもシモジマのみなさんの集中ぶりは素晴らしく、13の樹種を合計520ポットに鉢上げすることができました。
▲天野会長が1日かけて行う作業量を、わずか1時間半で完了!見事な集中力とチームワークです。
⑤ 箸づくり体験
最後は「箸づくり」に挑戦しました。6種の木から好きな樹種を選び、鉋(かんな)で削ってお気に入りの形に仕上げます。箸づくりに「鉋」を使うという体験はmore treesでもなかなかないので、まずは森さんの実演をじっくり観察。
するする~と薄く木が削れていき、簡単そうに見えた森さんの実演。しかし実際にやってみると「うまく削れない…」という声がちらほら聞こえてきます。「鉋を使ったのは初めて」という方も多く、苦戦しながらもこれが自分の箸になるんだ!とみなさん夢中で手を動かしていきました。削って、整えて、仕上げにミツロウと桧や杉のオイルをブレンドしたものを塗ってフィニッシュ。手作りのマイ箸ができました!
全行程を終えたシモジマのみなさんから、「普段はデスクワークなので、土に触れていいリフレッシュになった!」という感想が多く聞かれました。その言葉が大台町の方々の喜びにもつながり、森づくりを通じて人と自然と地域の関係が深まる2日間でした。