森と仲良しに♪77人の小学生と楽しんだ北海道美幌町 森あそびの1日

10月2日、北海道美幌町で地元の旭小学校の1〜3年生77名と森あそびのイベントを催しました。授業の一環として続けている取り組みで、今年で4年目。種とりや葉っぱスタンプ、ツリーイング、植樹など、学年ごとに異なるプログラムで子どもたちと森が仲よくなる時間を育ててきました。
今回は当日の様子を写真で振り返りながら、学年ごとに名場面ベスト3をセレクト。子どもたちと一緒に童心に返るひとときをお楽しみください♪
種とり・種まきの1年生@美幌みどりの村
1年生は美幌みどりの村で種とりをしました。地面に落ちているドングリを夢中で拾う子、手を伸ばして枝先になっている種をとる子など、思い思いの場所で“宝さがし”をしていた子どもたち。これまでは種をとるところまででしたが、今年は「種をまく」ことも体験しました。トレーに入った土に埋めた“ヒミツのお宝”がひょこっと顔を出す頃、みんなは2年生かな。
▼1年生の名場面ベスト3がこちら!
【1】みてみて~!と種を入れた袋を見せている子。小さな石ころひとつでも拾ったことが嬉しくて、誰かに見せたくなったもの、いっぱいありましたね。
【2】巨大キノコをじーーーっ。心に灯るセンス・オブ・ワンダー。
【3】ピポロアイヌ文化協会の河本さんがアイヌの楽器「トンコリ」を持って現れると、なになに~?と群がる子どもたち。手を伸ばす子、背伸びをする子、触ってみたくて手袋をはずそうとする子、ちょっと遠くから見ている子。それぞれの距離感でトンコリへの好奇心が渦巻いていました。やっぱり好奇心は宝ですね。トンコリの材料に使われているのはイチイの木。「美幌町の木」でもあります。
葉っぱスタンプとツリーイングの2年生@美幌みどりの村
2年生は葉っぱを拾い、カラフルなインクをつけて葉っぱスタンプをつくりました。布のバッグにペタンと押すと葉っぱの模様が写しとられた素敵なバッグが完成。そのあとはロープを使って木に登るツリーイングの体験へ。鳥やモモンガのような目線で森を眺めました。
▼では、2年生の名場面3ショットの発表です!
【1】奥に座っている子のあたまにご注目。スタンプだけでなく、髪飾りにも変身させちゃいました。子どもはいつでもアーティストですね。
【2】ツリーイングのお手本に子どもたちの視線が集まりました。未知に飛びこむ前の瞳は美しい。
【3】いよいよ出番。離すまいとロープにかかる指、ぐっと伸ばした左足にえいっと曲げた右足、そして一点を見つめる目。小さなからだいっぱいに“必死ないま”が漲っています。
植樹するぞ!な3年生@日並町有林
3年生は山へ木を植えに行きました。シャベルを使って穴を掘り、苗木を植えたら土をかけてトントン、ギュッギュ。しっかり根付くように踏み固めます。今回はカシワ、ミズナラ、イチイ、マユミ、エゾヤマザクラの5種類の広葉樹を植えました。
▼3年生の名場面3ショットをどうぞ!
【1】前かがみになって一生懸命に苗木を植えています。大人にはちょっと大変な姿勢だけど子どもたちはへっちゃら!?
【2】植え終わって満面の笑みでピース。あ、ミズナラの苗木もピースしています♪
【3】近年、美幌町ではシカが増えていて、せっかく植えても食べられてしまうことが課題に。そこで今回は植えた苗木を守るためはじめての獣害対策を施しました。子どもたちが植えた苗木を守るべく大人も頑張りました!
最後に、これまでの歩みを少しご紹介します。
■ 美幌町立旭小学校との森林環境教育のはじまり
美幌町とmore treesは、2019年より広葉樹を中心としたさまざまな「在来の樹種」を植林する《多様性のある森づくり》に取り組んでいます。そのなかで課題となっていたのが、多種多様な「広葉樹の苗木づくり」でした。
森づくりに苗木は欠かせません。ところが一般的に植林されることの多い針葉樹に対して広葉樹は植林される機会が少なく、苗木生産者も少ないのが現状です。そこで苗木づくりの“仲間”を探していたところ、美幌町立旭小学校が活動に関心を寄せてくださり、教育と苗木づくりを組み合わせた森林環境教育の活動が2022年にスタートしました。
■森林環境教育の内容と目的
旭小学校の1年生が種を採り、2年生が発芽した苗木への水やり等の世話をし、3年生が育った苗木を町内の山に植樹する、と学年別のプログラムを設け、約2年かけて種から育てた苗木を山に還す活動を進めています。身近に豊かな自然がありながらも意外と触れる機会が少ないという子どもたちに、森とのつながりを実感してもらい、森林への愛着や地域への誇りを育むことを活動の目的としています。また、将来子どもたちが環境について考えるひとつのきっかけとなるようにという思いも込めています。
今年のイベントも、主催の美幌町・旭小学校・more treesのほか、ピポロアイヌ文化協会、美幌博物館のみなさんにも多大なご協力をいただきました。また美幌町で「BOTANISTの森」づくりに取り組まれているBOTANIST財団にご協賛をいただき、当日も遠方から駆けつけて手厚いサポートをいただきました。
苗木も、そして子どもたちも、健やかにのびのびと育ちますように。


















