森のエビフライを探せ!三重県大台町で住友生命保険相互会社様の植樹体験ツアーを行いました

more trees のストーリーでたびたび登場いただいている“森の達人”と言えば…?そう、三重県大台町 宮川森林組合の 森 正裕さんです。12月に開催した住友生命保険相互会社様の大台町植樹体験ツアーの最中に、森さんから「森のエビフライを探せ!」と謎の指令が飛び出しました。え、エビフライ?と一緒にキョロキョロしながら、ツアー当日のダイジェストをお楽しみください。
■森との距離を縮めるハイキング
12月5日、大台町を訪れた住友生命保険の社員のみなさんは、はじめに町内にある標高704mの北総門山(きたそうもんざん)へハイキングへ出かけました。ガイドは、このあたりの山々を知り尽くした森さんが務めます。森さんから渡された「樹種のリスト」を手に、森のなかを歩きはじめました。
リストには、大台町・宮川森林組合・住友生命・more treesの四者が協働で《多様性のある森づくり》に取り組む「住友生命の森」で育てている樹種が記載されていました。リストにある木を見つけるたびに、森さんが「この木はね…」と詳しく教えてくれます。針葉樹に比べてさまざまな樹種がある広葉樹の特徴やその魅力、ありのままの自然とはなにか、人が何も考えないで木を植えるとどうなるか等、視点を変えながら森や木について語ってくれる森さんのお話に、住友生命のみなさんも聞き入っていました。


上の写真で森さんが枝を引き寄せているのはイヌガシです。イヌガシは「カシ」(ドングリのなるブナ科のカシ類)の仲間なのかと思いきや、そうではなくクスノキ科の樹木。「イヌ」という言葉には「似ているけれど本物ではない」「使い道がない」といった意味があり(犬には気の毒ですが…)、イヌガシも「葉はカシに似ているけれどカシの仲間ではない」ことからこの名が付けられたようです。

上の写真の中央右寄りに見えるのはブナです。20年ほど前、宮川森林組合が植えたこのブナの苗木は、実は日本海側産だったそう。同じブナでも日本海側で育つブナと太平洋側で育つブナは遺伝子が異なるため、場所を移動して植えるとうまく育たないことがあります。かつ人為的な移動により遺伝子攪乱を引き起こすリスクもあります。当時はそうした事情を知らず植えてしまったそうですが、その後、大台町では全国に先駆けて「地域性苗木」の生産に取り組みはじめました。いまでは「地域性苗木といえば大台町」と言われるほど。かつて知識なく植えてしまった写真のブナは最近枯れ始めており、いかに地域性苗木が重要かを、実物を見ながら森さんが語ってくださいました。
世界にはカエデの仲間が200種ほど存在すると言われています。そのほとんどが北半球に分布し、南半球にはわずか1種のみ。日本には20~30種が生育します。上の写真ではイタヤカエデ、オオイタヤメイゲツが見えますが、どれだか分かるでしょうか。カエデ探しもやりはじめると深みにはまりますね。

あ、“エビフライ”を見つけ方がいらっしゃいました!中央の女性が手に持っているのがそれです。リスが齧った跡が“エビフライ”にそっくりな松ぼっくりでした。これが落ちているということはリスがいる証拠です。
森でエビフライが転がっているって、可愛いらしいですね。
遊びあり学びありのハイキングを、ガイドの森さんと共にたっぷり楽しみました。
■25種を植える植樹体験
午後は大台町の岩井地区にある「住友生命の森」で、昨年に引き続き3パッチ目の植樹体験を行いました。
上の写真右は宮川森林組合の杉浦明伸さん。苗木の植え方や、植えた苗木が将来どうなっていくのか等の話をしながら植樹サポートいただきました。8人で1パッチ、25種類の樹種を1時間半で植樹していきました。

今回植えた樹種は以下の通りです。
ヤマザクラ・ケヤキ・イロハモミジ・ミズキ・オオモミジ・イタヤカエデ・アカシデ・イヌシデ・クマシデ・ウリハダカエデ・カクレミノ・アオダモ・ウリカエデ・ヒメシャラ・クロガネモチ・マユミ・ムクロジ・カツラ・トチノキ・モミ・ムラサキシキブ・シラキ・リョウブ・チドリノキ
地形や地質、陽当たりなどの立地条件にあわせて生育に適する樹種を見定め、将来の森の姿も見据えて樹木の配置を判断していく「自然配植技術」を使い、綿密に計算された植栽計画に基づいて植樹を行いました。
最後に、今回のツアー参加者から「多くの方が関われる森づくりを来年もつなげていきたい」との言葉がありました。
“森のエビフライ”に心和ませながら、100年先の多様な森を夢見て苗木を植えた一日。小さなリスから次世代の人間まで、命あるものたちが共生できる「多様性のある森」を、これからもみなさんと共に育てていきたいと思います。
more treesは、地域固有の風土や技術を活かしながら土地に適した樹種を選び植林・育林をする「多様性のある森づくり」、法人参加型の森づくり「企業の森」、クリエイターや地域の職人とコラボし木製プロダクトの企画・開発・販売などを手がける「ものづくり/空間プロデュース」など「都市と森をつなぐ」をキーワードにした取り組みを行っています。
森林保全活動へのご参加、ご支援、ご質問などお気軽にお問合せください。





