ストーリー

子どもたちと一緒に “自分の頭で考える”。長野県根羽村でシチズン時計様の植樹ツアーを実施しました

2026年7月7日〜8日にかけて、長野県下伊那郡根羽村にてシチズン時計株式会社様のツアーを実施し、10名の社員の皆さんにご参加いただきました。今回のツアーでは「多様性のある森づくり」の取り組みとして、根羽村の村立小中一貫校「根羽学園」の生徒さんたちと一緒に「シチズンの森」を訪れ、 “自分の頭で考える” 植樹体験を行いました。そのほか、時計づくりワークショップやキャリア教育を含む総合学習など、子どもたちとの交流を含む盛りだくさんな2日間のプログラムをご覧ください。

 

シチズンの時計と根羽村の「木の糸」で。子どもたちの時計づくりワークショップ

初日にまず訪れたのは、今回のツアーの準主役とも言うべき子どもたちが通う「根羽学園」。1年生から8年生まで約40名の子どもたちが4つのグループに分かれ、シチズン時計の皆さんと一緒に腕時計作りのワークショップに取り組みました。

腕時計のベルトには、根羽村産の木材から作られた「木の糸」でできたデニム生地が使用されています。木からデニムが作れるの?しかも根羽村の木からできているなんて!とびっくりな様子の子どもたち。シチズン製の時計と合体させ、自分の腕にピッタリ合うように長さを調節。自分だけのオリジナル腕時計に嬉しさがこみ上げます。


▲仕上げの時刻合わせは、シチズン時計の名に懸けて正確に!社員の皆さんがスマートフォンで時報を流すと、子どもたちも真剣な表情で「今だ!」と時刻を設定してくれました。

子どもたちは自分の作業に没頭するだけでなく、高学年の生徒が低学年の生徒のもとへ行き、さりげなく手を貸してあげるなど、自然に助け合っている姿が印象的でした。また翌日、教室の黒板には前日のワークショップのことが書かれており、日々の学びを大切にする学校や先生方の姿勢にも心を打たれました。


▲根羽学園は2020年に当時の根羽小学校と根羽中学校が統合してつくられました。全校生徒50名ほどの小中一貫校で、1〜6年生が「前期課程」、7〜9年生が「後期課程」にあたります。

 

“自分の頭で考える” 植樹体験

2日目は根羽学園の子どもたちと一緒に植樹体験を行いました。7~9年生17名の生徒たちとともに向かったのは、2024年から根羽村内に展開している「シチズンの森」です。植樹対象エリアは針葉樹のスギやヒノキの伐採跡地でしたが、今回子どもたちに植えてもらう苗木はすべて広葉樹。なぜ広葉樹を植えるのか、「多様性のある森づくり」とは何なのか、ひとつずつ丁寧に説明していきます。


▲苗木について説明してくれたのは根羽村森林組合の大久保裕貴さん。今回はミズナラ、コナラ、クリ、ヤマザクラ、ケヤキ、カツラの6種類、合計150本の広葉樹を植えました。同組合の山本徹さん、竹村隆志さんにも当日の植樹体験をサポートいただきました。

通常のツアーでは、どこにどの苗木を植えるか具体的に示したうえで、植樹作業のみ体験してもらうことがほとんどです。しかし今回は “自分の頭で考える” 植樹体験。根羽学園の生徒・先生・シチズン時計の社員の皆さんで4人1組のグループを作り、割り当てられた苗木をどこにどうやって植えるか自分たちで決めなければなりません。
そのヒントとして、more treesの岸卓弥から、地形・日照・水の通り道など樹種によって異なる植栽場所の特徴を説明すると、みんな真剣な表情で聞き入っていました。


▲more trees 岸による植樹方法の説明。子どもたちにも理解しやすいよう大きなフリップを用意し、(雨男なので)雨にぬれても大丈夫なようにパウチもして準備しましたが、当日はその心配も杞憂に終わり、見事青空が覗きました。

そしていよいよ植林がスタート。各グループは周囲の環境を確認し、意見を交わしながら自分たちで植える場所を選定していきます。大人でも判断が難しい課題でしたが、「たしかカツラは水が大好きって言ってたから、斜面の下の方に植えよう」「ヤマザクラは日光が好きだから、日陰は避けなくちゃ」と、先ほど聞いた説明や手元の資料を参考に、それぞれが樹木の性質を踏まえながら植える場所を選んでくれました。ただの作業としてではなく、自身の考えを持ち、仲間と協力しながら取り組んでくれていることが何より嬉しい瞬間でした。最後は、自分の名前を書いたプレートを植えた苗木のそばに設置。子どもも大人もすがすがしい笑顔が光ります。


▲配布された資料を見ながら、チームごとにみんなで話し合って苗木を植える場所を決めていきました。

 

大人もたじたじ?「働くとは」を考える総合学習

植樹体験の後は根羽学園に戻り、7年生、8年生の総合学習の授業にシチズン時計の皆さんが参加しました。

7年生はキャリア教育の一環として、「働くとは?」をテーマに行われました。シチズン時計の皆さんから普段の仕事内容ややりがいなどについてお話いただくと、3人の生徒からは素朴な疑問が次々と投げかけられました。なかでも「何のために働くのか、その理由と割合を円グラフで書いてほしい」というリクエストに、社員の皆さんも難しい表情。「お金のため」「人の役に立つため」「楽しさ(自分のため)」という3つの要素について、準備された黒板の円の中に自分なりの答えを書き、その理由についてそれぞれの言葉で説明してくれました。


▲生活には現実的にお金が必要であること、しかしそれだけでなく、やりがいや誰かの役に立ちたいという気持ち、自分の人生を楽しみたいという仕事への思いを語ってくれました。

8年生は、「根羽村と関わる人を増やすにはどうしたらよいか」というテーマで7人の生徒が2チームに分かれ、事前に企画した根羽村ツアー案をシチズン時計の社員の皆さんへ発表しました。印象的だったのは、企画を練るなかで見えてきたさまざまな課題に対して、しっかりと対策案を提示していたこと。また集客方法として両チームともSNSの活用を提案するなど、デジタルネイティブ世代らしい発想も垣間見えました。発表後に社員の皆さんからフィードバックやアドバイスいただくと、子どもたちは改めて自分たちの考えと照らし合わせていたようです。

7年生・8年生ともに、用意した原稿を読むだけではない、その場に応じた言葉を使った高いコミュニケーション力が光っていたように感じました。社員の皆さんも、わかりやすい言葉を選びながら生徒たちの発言を丁寧に受け止めており、双方にとって実りのある時間となりました。

 

根羽村の里山や自然の恵みを満喫

子どもたちとの交流以外にも、ツアー中は根羽村の魅力を体感できるプログラムが盛りだくさんでした。
初日には牛を自然放牧しながら酪農を営む幸山明良さんを訪ねました。ご自身の名前から「ハッピーマウンテン」と名付けられたこの場所では、牛たちが下草など山に自生する植物を食べて暮らしています。参加者の皆さんが牛たちにご挨拶している隣で、幸山さんがおもむろに手に取ったのはなんと牛のフン。「においを嗅いでみてください。思ったほど臭くないでしょう」実際ににおいを嗅がせてもらうと、驚くほど臭くありません。穀物飼料ではなく牧草や野草を中心に食べて育った牛のフンは臭みが少なく、これも健康な放牧地・自然な飼育環境の証だと教えてくれました。

夜はシチズン時計の皆さんと地域の方々との懇親会を行いました。夕食をご用意いただいたのは、根羽村で地元の食材を使った料理を提供している木村食堂さん。ご主人の木村勇太さんは、昼間は森林組合の作業員としても活躍されています。この日の夕食には、ハンターとして狩猟も行う幸山さんが根羽村の山で捕った鹿肉の料理もふるまわれるなど、里山の恵みを味わいながら和やかなひとときを過ごしました。


▲幸山さんのガイドを受けながら里山散策中に見つけた鹿の頭蓋骨。鹿も死後は微生物によって分解され、やがて骨だけに。微生物を含む多様な生き物が暮らす森だからこその光景だと教えてくれました。

2日目、参加者の皆さんがツアーの最後に訪れたのは、根羽村の女性15人ほどで構成される農事組合法人「杉っ子」。ねぎ味噌だれ・くるみだれの五平餅、とれたて野菜のサラダなど、たくさんの根羽村の恵みをいただきました。


▲根羽村の郷土料理「五平餅」を食べてご機嫌な皆さん。

 

今回のツアーの実現にあたり、プログラムのコーディネートや現地の各手配をしていただいた一般社団法人ねばのもり代表であり根羽学園のサポート教員も務める杉山泰彦さん、根羽村役場の戸谷亮太さん、寺島峻介さんに多大なるご協力をいただきました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。 


more treesは、地域の気候風土に適した樹種を選び植林・育林をする「多様性のある森づくり」、法人参加型の森づくり「企業の森」、クリエイターや地域の職人と協働して木製プロダクトの企画・開発・販売や木質空間づくりを手がける「ものづくり/空間プロデュース」など、「都市と森をつなぐ」をキーワードにした取り組みを行っています。森林保全活動へのご参加、ご支援、ご質問などお気軽にお問い合わせください。

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