祝「なえうぇる」苗木初出荷!岩手県住田町で植林を行いました
2025年3月21日~5月12日にかけて、岩手県住田町にて植林を行いました。2023年に同町でスタートした苗木づくりプロジェクト「なえうぇる」で育てた苗木をこのたび初出荷!種から育てた苗木を山に返す記念すべき植林となりました。
「なえうぇる」3年間の歩み
more treesでは、いくつかの地域と協働で「地域性苗木づくり」に取り組んでいます。そのひとつが岩手県住田町での育苗プロジェクト「なえうぇる」です。2023年の秋に始動し、今年で3年目。地域外から持ち込んだ苗木の場合、遺伝子の攪乱を招き、長い年月をかけて地域で育まれてきた生態系を破壊してしまう可能性もあることから、地域に自生する樹から種を採り、土地の気候風土や土壌条件などに適した苗木=地域性苗木を育てています。
住田町の「なえうぇる」では、地域住民も巻き込みながら苗木づくりを進めているのが大きな特徴です。たとえば保育園の子どもたちと山に入って種を拾い集める「種採り」イベント、地元の小学校や高校の生徒と一緒に行う「種まき」イベント、親子でコンテナやポットに植え替える「鉢上げ」イベント、苗木をご家庭で育てもらう「苗木ホームステイ」、専門家を招いてなえうぇるの参加者と情報交換を行うオンラインコミュニティ「なえうぇりゃー」の運営など、活動の幅も広がっています。
今回初めて出荷することになった苗木は、クヌギとコナラの2種類・計18本。数は少ないながらも手塩にかけて種から育てた苗木を山へ返す喜びは計り知れません。
▲現地で「なえうぇる」のプロジェクトをリードしている⼀般社団法⼈⾢サポートの奈良朋彦さん(右)と伊藤美希子さん(左)。本業ではない苗木づくりを一から学び、試行錯誤を重ね、人と森の多様な接点を生みだしながら苗木を育ててこられました。⾢サポートさんあってこその苗木初出荷です。
今年は5月に鉢上げを行い、そこで植え替えた苗木たちも現在順調に育っています。樹種によって育つスピードは異なり、マユミやアオダモは10㎝程度の大きさでじっとしている一方、ミズナラ、ヤマモミジ、クリは既に40㎝ほどに育ったものもあります。1年先輩のコナラを追い越す勢いで育っている苗木も。今秋に予定している植林では、これらの苗木も生長の良い個体から順次出荷する予定です。
- マユミ
- クリ
今回の植林実施状況(期間:2025年3月21日~5月12日)
箱根峠と六郎峠の2カ所で、地域と協働で植林を行いました。
■箱根峠
植林面積:0.16ha
苗木:19種類の広葉樹、計360本
- 地拵え
- パッチディフェンス設置
- 植栽
- ヤマモミジ
- マユミ
- コブシ
- 作業前
- 作業後
■六郎峠
植林面積:0.17ha
苗木:17種類の広葉樹、計270本
- カンボク
- ハウチワカエデ
- シナノキ
- 作業前
- 作業後
両地区とも、獣害対策として小規模なエリアを柵で囲う「パッチディフェンス」を設置しました。また、箱根峠は株式会社ユナイテッドアローズ様および三井住友カード株式会社様、六郎峠は株式会社メンバーズ様にご支援いただいています。
今後も地域の特徴に適した植林の手法や樹種の選定、適切な育林作業を行い、地域および森づくりパートナーの皆さまと協働で活動を進めてまいります。
more treesは、地域固有の風土や技術を活かしながら土地に適した樹種を選び植林・育林をする「多様性のある森づくり」、法人参加型の森づくり「企業の森」、クリエイターや地域の職人とコラボし木製プロダクトの企画・開発・販売などを手がける「ものづくり/空間プロデュース」など「都市と森をつなぐ」をキーワードにしたさまざまな取り組みを行っています。
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