未来の森を育てるのは、今この手で。岩手県住田町で2度目の「鉢上げ」を行いました。
全国的に生産体制が乏しく、なかなか市場に出回らない多様な広葉樹の苗木。〈だったらやろう、ないなら育てよう〉のチャレンジ精神でmore treesが地域と協働で広葉樹の苗木生産に取り組んでいるプロジェクトのひとつが、岩手県住田町の「なえうぇる」です。
昨年10月、なえうぇる発足以来2度目となる「種採り」にチャレンジし、18種類の広葉樹の種を蒔きました。その種がぐんぐん芽を出し、5月9日、ついに「鉢上げ」の日を迎えました。
初年度の経験を活かして
うまく発芽しないものもあった初年度の反省を活かし、昨年秋に採った種では樹種ごとに処理の仕方を変えてつぎのような工夫を施しました。
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果肉を丁寧に取り除く
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水に浸して発芽を促進する
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腐葉土をかけて土の乾燥を防ぐ
手をかけたことが功を奏し、今年の春はミズナラやマユミ、サワシバを中心に多くの種が芽生えました。
森づくりパートナーが集結
住田町の育苗プロジェクトの面白いところは、地域内外の多様な属性の方が参加している点。この日は、現地でプロジェクトをリードする一般社団法人邑サポートや住田町役場のみなさんに加え、前回もお世話になった樹木医の佐々木理史さん、住田町で「企業の森」に取り組む株式会社メンバーズの社員2名も参加しての「鉢上げ」となりました。鉢上げとは、トレーなどに播いた種のなかで芽吹いたものを、コンテナやポットなどに植え替える作業のことです。
▲傷つけないようにトレーからゆっくり取り出します
▲コンテナへのお引越し作業もひとつひとつ丁寧に
▲「なえうぇる」立ち上げ当初から育苗に携わってきた一般社団法人邑サポートの奈良朋彦さん(右)も今ではすっかりベテランの風格。住田町の育苗文化を引っぱる存在です!この日もお手製の紙芝居で育苗の醍醐味を語ってくれました。
芽吹いた命をやさしくポットに移し、愛情をもって育てる。そのひとつひとつが、未来の森につながっています。町内の学校から「育苗講義」のリクエストも届くようになりました。住田町での育苗の挑戦は、着実に、楽しく進行中です。