ニュース

【コラム】「保護」と「保全」って何が違うの??


「保護」と「保全」って何が違うの??

more treesがメディアに取り上げられるときなどに、「森林保護団体more trees」と紹介されることがあります。私たちはその都度「森林保全団体more trees」 と修正させてもらっています。

では、「保護」と「保全」はどう違うのでしょうか??

鬼頭秀一編『環境の豊かさをもとめて』昭和堂

という著書のなかに興味深い記述があります。要約すると、

保全conservation=「人間に被害が及ばないようにするために、自然環境を保護する」
保存preservation=「自然環境は、それ自体貴重で尊い価値をもっている。だから、自然環境を保護する」
(森岡正博)

とあります。
つまり、人間のために自然を守るのが保全、自然のために自然を守るのが保存、というわけです。
保存と保護がほぼ同義だとすると、

保全=人間がある程度手を入れながら管理していく
保護=人間は一切手を触れずに守っていく


ということだと解釈できます。

more treesは「森と人がずっとともに生きられる社会」をビジョンに掲げています。
つまり人間と森林を分断するのではなく、適度に手を加えながら、そして森の恵みを持続的に享受(利用)しながら共存していく道を探ることが現実的であり、大切だと考えています。

逆に「保護」を突き詰めてしまうと、林業という産業そのものの存在を否定してしまうことになるし、木材利用も悪、ということになりかねません。

こうしたことから、more treesは「保全」というワードを用いるようにしています。

一般の人から言わせると「保護でも保全でもどっちだっていいじゃん!」と思われるかもしれませんが、私たちとしてはこだわりポイントなので書かせてもらいました。

ということで森林保全団体more treesを今後ともよろしくお願いいたします。

水谷伸吉

関連記事

TOP