乾燥?ウサギの食害?長野県木曽町「ディノスの森」で生育調査を行いました
2024年8月27日、more treesが多様性のある森づくりに取り組む長野県木曽町・開田高原の「ディノスの森」で生育調査を行いました。
「ディノスの森」は株式会社DINOS CORPORATION様と協働で植林を進めている森で、2023年10月と2024年6月の2回に分けて広葉樹の植林を行ってきました。6つの樹種(シラカンバ、ヤマハンノキ、コナラ、ミズナラ、クリ、オオヤマザクラ)をパッチワーク状に、1パッチ25本ずつ単木で植える手法をとっています。
今回の調査では、2パッチ(50本)の生育状況を確認していきました。岐阜県立森林文化アカデミー特任教授・横井秀一先生をお招きし、木曽町役場・木曽森林組合のみなさんとともに約2時間かけて調査した結果は次のとおり。
■各樹種の概況
コナラ、ヤマハンノキ:主に乾燥によるものとみられる枯死個体が多い(枯死の要因は複数あり、乾燥だけが原因とは限らない)
シラカンバ:地上部(全体あるいは上部)が枯れている個体が多いが、そのうちほとんどは生き残っている部分からシュートが伸びている(根が生きている)ミズナラ、クリ:ウサギによる食害が多いが、活着はしている(根が生きている)
オオヤマザクラ:シカもしくはカモシカによる食害が多い
▲乾燥で枯れたとみられるコナラ
▲シラカンバ(左)とシラカンバの根(右)
▲左:ミズナラ、右:クリ
▲オオヤマザクラのシカあるいはカモシカによる食痕
■天然更新していたもの
▲左から、キハダ、シラカンバ、ホオノキ
▲左から、ヤマハンノキ、リョウブ、レンゲツツジ
調査後、横井先生からは次のようにアドバイスをいただきました。
「ウサギ害が多いが、よく持ちこたえている。今のところは、獣害(シカ・カモシカ・ウサギなど)への対策をするほどではない」
「引き続き様子を見つつ、必要に応じて補植も検討するのがよい。また、植栽時期についても検討する必要がある」
今回は雨のなかの作業となりましたが、無事予定していた数の調査を行うことができました。調査結果と横井先生からのアドバイスを活かしながら、今後も木曽町での森づくりを進めてまりいます。
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